2009年2月17日 (火)

066

薔子の部屋の目ざまし時計は4時をさしている

「あーよく寝たー
もう夕方じゃんー」

ベッドからおき出してー
そう言えば昨日、朝まで彩、帰ってた来なかったけど
何時まで仕事してたんかしらー?

ドアを開けキッチンの方を見ると
彩がテーブルでマンガを描いている

「あら、薔子いたんんだー
帰ってこないから外泊かなーって思ってたー
薔子の方が先に帰ってたんだねー」

「もしかして、あんた帰ってからずっと
漫画、描いてたの?」
ツカツカと彩のそばまで歩き

「うん、六時頃帰ってからソッコウ取りかかったわよー」

薔子はガタンと冷蔵庫を開けて
「ちゅうか、あんた漫画やめたんじゃなかったっけ?」

「転職したばっかでいろいろ大変だったから休んでただけー
やりかけにしたままでやめらんないしー」

缶コーラをプシュッ!と開けて
「まぁ、仕事はちゃんとやってんだから
モンクないけどねー」と言いながら
薔子は後ろから彩の絵を覗き込み

「ちょっと!あんた!その絵ひどすぎない!!
いくらギャグだって言ってもさー
やっぱ、あんたやめた方がいいよー」

コーラを飲みながら向かい側の椅子にすわり

「下手だからって、いい加減に言ってるんじゃないのー
悪いけどーあんた芽、出ないよー
私くらいのレベルになると一目、見て
その人がどこまで伸びるかわかるのよ」

薔子は彩が怒るかと思ってたがー

「私もわかってる…

才能ないよね…」

静かな声で彩は言った

「たかだか16ページ描くのに
こんなに手こずるなんてー
自分でも、びっくりしたわ」

「ムリなことわかったんなら、もうやめりゃいいじゃん
もともと漫画、好きでもないくせに無理して頑張っても
あとでこの世界の厳しさ知って
諦めた時には何も残らないよ…
後悔する前にやめちゃいなさいー」

と薔子はコーラをゴブゴブ一気飲みした

「でもねー

それがねー

たぶん、もう

やめらんないのかもしんないー」

というと彩はペンを置いて
自分で自分の右手をつかんだ

「あの手の感触が残ってるから…」

そして、そっと瞳をとじてー

「きっと一生、消えない気がしてるの…」

自分の右手をさわり、瞳をとじ
そして、ほんの少し微笑んだ彩を見て
薔子はー

「あんたさー
アタマ、やばくないー?」

と呆れた声で言い
空になったコーラの缶をパコパコと握りつぶしたー

Photo

DATE:2009/02/17

先週、行き遅れた(どこに?)友達、雛ちゃんと
行って戻ってきた(どこから?)友達、エリナと
バレンタイン前に神頼みに行ったー
どこ?ってー
かけこみ寺よ…

そんで、それぞれ片っ端からオトコにエサ投げて
何が釣れたか後で報告しあいましょ、とか
ベシャりながら土産物屋行ったらーーー
おき物のおじぞうさんが売られてて
いっぱいあったのに、一人だけ
私に微笑みかけてきたから (気のせい、ってかノイローゼ)
つれて帰ってきた…

ついでに金運が良くなるお守りも買った
小瓶の中に金のウンコが入ってるんだけどー
写メ、ピンボケでわかりずらいかなー

そんで、例のごとくボイトレとしょうしカラボに行ったら
何も釣れなかった場合の心境さきどりちゅうことで
失恋ソングの特集をすることにしたー
二人とも普段、明るいのしかやんないのにねー
出るわ出るわ、スゴいの知ってたんだねー

いちお、言い出した私からやれってー
序の口はソフトにとかって言って
難破船をやらされたけどー
明菜ちゃんの歌ってキーが合わないから
地声でやったらソフトどころかー死にそうな気分なったわ…

次にどっかから戻ってきたエリナが失恋ソングの定番よーって
恋人よ~だしー

♪この別れ話が冗談だよと
笑ってほしい♪

その(恋人)知ってるだけに笑えないからー

いつもノーメイクの行き遅くれた雛ちゃんの
化粧とかーー!!
シャレになんないしー

♪バカだねーバカだねー
愛してほしいと思ってたなんてー♪

曲の途中で「淳子の方なの?みゆきなの?」
ってエリナから聞かれても、そこまで私はクベツつかないわよ!
けんどー歌詞、キョーレツすぎー!!

♪バカのくせにーあぁ~
愛してもらえるつもりでいたなんてー♪

トドメさされたって感じしたわー
もうオトコにメールする勇気なくない~?
ってーほとんどヤケクソなって
私の今の心境に1番近いのはこれよーってー
ケイウンスクのすずめの涙を歌ってみた
挙句の果てに演歌だからー

気を取り直しましょってんで
最後に二人の 〈はじめて〉 を聞いたけどー
逆に泣けたしー

しっかし今、思い返すとーひどいエヅラだったわよねー
あの特集は永久に封印だわー
いちお報告しとくと私は、いっこも!!
メールの返事がありまへんでした…

でも、二人の協力で失恋気分のピークはもう過ぎ去ってたしー

二人のおかげで、一つ詞ができたしー

めでたし、めでたしよー(?)

ありがとね♪本物の女神たち…

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2009年2月14日 (土)

065

みんなが黙って見てると
煙をひとふきしてジュオンは…
「行ったら女子高生とハッテンできっかもしんないぜー」

「なにー!女子高生ー!!」と、三人は同時爆発した!

「彩、写メ見してやれよー」

「あっ、そういえば今週みんな来るって言ってたなー」

彩がこないだのライブの時にみんなで撮った写メを見せるとー

065

「俺、右のほっぺ赤い子、好みー!」

「俺、はじのNANAっぽい子、好みかもー!」

「俺、全部、くいてー!」

と、オタケビながら三人は携帯を取り合った

「ヨッシ!週末、横浜行こうぜー
俺、レンタカー借りて運転すっから
ベイブリッジ、女子高生とドライブしようぜー」

「それってラブワゴンじゃねーかよー!
女子高生とあいのりしてーーー!」

「俺、実は前からランドマークのラウンジ
行ってみたかったんだよなー
女子高生誘ってみようぜー」

「いいねーそれー!!
ランドマーク、部屋とっかー!」

それを聞いて彩が
「部屋ってー|ー
話、早くないー」

「遅すぎだよ!
肝心なこと言うの!!」

三人はさいそくもされてないのにさっさと
それぞれ二千円をだした

「ったく!彩ちゃん!
早く言ってくれればいいのにー」

彩はチケットを三人に渡し
「いったい、その変わりぶりは何なの?」
と、ジュオンを見ると
ジュオンはカウンターに背を向け
タバコをもみ消しながら
ニヤッと彩に微笑んだ…

「横浜っつったら中華街だろー
女子高生とエビチリくいてー」

「ベイブリッジが見えるのって
港の見える丘公園だっけ?
女子高生とロマンチックにひたりてー」

「あの~、ライブ行くんですけど…」と言ってみたが
横浜ツアー計画は彩そっちのけでねられ続けたー

「ライブって何時までだー?」

「あれ?観覧車って何時までだっけ?」

「いいね!!コスモクロックに横浜キャンドル!!
ライブはチラミでひきあげて
女子高生と観覧車、行こう!行こう!」

彩はチケットは売れたが逆にちゃんとライブを見れるのか
不安になってきたーー
「しっかしーみんな女子高生、好きなんだねー
自分も、こないだまで女子高生だったくせに…」
とつぶやくと
三人はソウダチして

「彩ちゃん!!!!
それ!!絶対!!秘密なー!!!」

そのオタケビのけたたましさに
思わず彩は耳をふさいだーー

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2009年2月10日 (火)

064

新宿2丁目の樹音には
ジュオンの体育大時代の後輩が飲みに来てた

「ねー大野くんー
ライブ、行こうよー」

「彩ちゃん、ねばるねー
さっきから、そればっかじゃん」

「そりゃ、好きな男のためだもん
ねばるよなー」

「桜井君、わかってんだったら協力してくんない~?
ちょうどチケット三枚あるしー
ねー、松本君も行こうよー!」

064
「無駄な協力できっかよ!
相手、ノンケだろー
みんなが手つなぐからしかたなし
手、握られただけで喜んで
なさけねー
彩ちゃんがそんなことしてやったってさー
むくわれねーんじゃねー
どうせ、音楽やってる男なんて
チケット買ってもらうために
いろんな女だましてるぜー
おまえだけだとか言いながら
あっちもこっちもやってるよー」

彩のクドさに切れたのか
松本は毒を吐き出したー

「滝沢君は硬派ですー」

「コーハー?っつったって、いつ彼女できっかわかんねーだろに
そしたら、いつもチケット買ってくれっから
彩ちゃんには秘密にしとこーてことになんだし
自分が知らねー間にこっそり付き合ってて
だいぶたってから知りましたーなんてなー
よくある話だろーー
彩ちゃん、もっと自分を好きになってくれる人いると思うぜ~」

どうやら体育会系のオナベたちには
音楽やってる男、イコール軟弱で好感を持てないのか
辛辣に反論され彩は消沈した

「俺も、そんな純愛してみてー」
グラスを布きんで磨きながら、ジュオンが

「いつのまにか、
こいつは落とせるってやつにしか
目が行かなくなったけどさー
それって純粋に人を好きになれなくなったんかもなー
彩がその男のどこに惚れたんだかー
おめーら!週末、見に行って来い!
これは先輩からの命令だぞ!」

「えー!
いくら先輩の命令でも
気がすすまねっちゅーかー」

「横浜まで、くり出す気にゃなれねーな…」

「それに俺たち音楽、興味ねーし」

あっさりと三人から先輩としての命令をキョヒられ
ジュオンはグラスをおき背中をむけ
いつもは仕事中に吸わないタバコに火をつけた

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2009年2月 7日 (土)

063

063

登りの湘南新宿ラインはすいている

彩は隅のシートにすわり
自分の右手をみつめてた

滝沢君の手…
あったかくて力強かった

今でも、はっきり感触が残ってる

あの時…生まれて初めて
人とつながれた気がした…

DATE:2009/02/07

このページは、このストーリーのひとつのポイントになってるかなー(?)
今、思えば彩が自分の人生の交差点を曲がった瞬間だったかもー
いつもはポイントはラストにもって来てネットで非公開だけどー
V.13になってからーくぎりをどうしてくか、まだよく考えてないしー

がんばれー
私はその言葉に弱い
好みのタイプから言われたら必ず魔法にかかるー

って、本当は頑張るのなんて全然、好きじゃないんだけどねー
マイペースで心穏やかに生きる方が好きだしー
4、5年前(?)半年間くらい(?)誰も好きじゃない期間があったんだけどー
片思いも、気になる人もいなくて、過去の恋や失恋も引きずってなくてー
心の中に誰もいない状態…
毎日、こころ穏やかで
ふと立ち止まって、風のにおいに微笑んだり
子供の時みたいに形を変えていく雲をずっとながめてたり
夕暮れの時間をあじわいたくて、ふらふら散歩した…あの夏ー
幸せだったなーなんて
この世には安住の地ってのがあることを初めて知ったー

ここしばらくー
がんばれーなんて言われてないしー
めでたく(?)あの頃に近づいている気がしてる…

だけどねー人生、折り返し地点過ぎて下り坂に入ると
常に歩く風景に自分の死に場所が視界に入るようになる…
人は安住の地へたどりつくため、この世に生まれて来たわけじゃない
誰かと出会い、何かをなしえるため…
苦しくても誰かのために頑張っている時
孤独から開放され人とつながっていることを感じられる
そしてその時、不可能を可能にする希望が生まれるー

…とは言ってもねー
今後、二度とがんばれって言ってくれる人がいない場合も
考慮すべきかもしんないわねーーー

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2009年1月10日 (土)

060

60

「アンコールの曲めちゃめちゃ良かったねー
私、あーゆーバラードで2番のあとの間奏から
ドラムがブレイクして入る曲ってチョー好きー」

コンサートは終わり
二人は駅へ向かう人並みの中を歩いてた

「速水瞬があんなにスゴイと思わなかったー」

「ずいぶん気に入ったみてーじゃん
俺のドラムとどっちがスゴかった?」

彩が速水瞬を気にいったせいなのかー
龍太も笑顔を見せてたー

「そりゃ滝沢君だよー
アンコールの曲も
あー、これが滝沢君のドラムだったら
もっと心に響いたのにーって思っちゃったー」

「オカマちゃん!!
手つないでもらえて良かったねー」
と知らない人が後ろから声をかけ
振り向いた、龍太の目に
横浜アリーナが映った

「俺も、あのステージでいつかドラム叩いてみてーなー」

と龍太は人並みの中で立ち止まり
少し後ろを歩いてた彩も立ち止まった

「俺さー、こないだまでバンド何年もやってたこと
かなわねーことにマジになってアホだったって思ってた

でも叶うとか、かなわねーとか関係ねーし
好きなもん無くしちゃいけねーよな

夢持ってるって男にとって絶対、大事だって気付いた

夢なくしたら何やっても、おもしろくねーし
いろんなことにムカつくし笑うのも忘れてく

こないだまでの俺、サイテーだった…」

横浜アリーナをみつめ語る
龍太の横顔を彩はみつめた

「あー、早くライブでドラム叩きてー」

ふたたび背中を向け歩き出した龍太の背中を
彩は、まだ立ち止まったままみつめてた

「こんな語って
俺、ダセーよなー?」

頭をかきながら振り向き
龍太が彩に聞くと

うんうん、と彩は首を横にふり
小走りで龍太に駆けよった

「今日、発見したよー
横顔
カッコいいー」

「俺、カッコいいキャラじゃねーんだけどー
おまえ男見る目、ズレてんじゃねー」

「私、滝沢君と出会ってから
男の人を見る目すごく変わったよ

前はエリートっぽい人が好きだったんだけど
自分が人生ふみはずしちゃったからさー
パリッとスーツ着て堅実に生きてるって感じの人に
憧れたんだけどね

今は白いTシャツにジーパン、スニーカーで
かざりっ気ない人がカッコよく見えるようになったの
不思議だよねー

あと男、見たら必ずチェックするようになっちゃったー

夢を持ってるか…」

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2009年1月 9日 (金)

059

DATE:2009/01/09

…そう言えば、すっかり忘れてたけどー

新年あけまして、おめでとうございますheart04

ごあいさつが、おくれて大変失礼いたしましたー

今年もよろぴくお願いしますhappy01

59_2

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2009年1月 4日 (日)

057

57
この曲がきっかけで
いろんな人から悩みを打ち明けられるようになったな~
今までフツウの女の子のファンだと思ってた子が
私、実はレズなんですーってカミングアウトされたり
悩みを打ち明けられたあと
瞬の曲で希望を持ったよって言われるようになった
それまで知らなかったけどレズっていっぱいいるんだね
みんな人に言えないだけでさ
実は今、この会場にもいっぱいいるんだよー

え゛ー!!(会場、騒然となるー)
ヤベェ!ばらしちゃったー!
ってか、ぶっちゃけちゃいなー!!
女が女を好きになったっていいと思うよー

瞬のことばをキャッチして、ひとりの女子が叫んだ!

私!女が好きです!

よっしゃー!!!!
よく言ったー!

オー!
いいぞー!
(会場は声援で盛り上がった!)

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2008年12月17日 (水)

I wish

神様のライブに行って
あらためて誰かのファンでいることは
大切なことだなーと思った

それは真っ暗の中で道に迷い
立ち尽くした時
私を導いてくれる
たったひとつの希望になる
星のような存在
だから英語ではSTARなんだねー

目標も持たず、ゴールもめざさず
河の流れのように穏やかに生きれたら
それで幸せだなんて
疲れ果て力尽き挫折する時が
これからの私の未来に
何度も来るだろう

そんな時
心から好きだと思える人がいたら

何度でも
歩き出せる

願わくば
私の神様が
永遠にステージで
ライトにてらされますように…
D1000041

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2008年11月23日 (日)

054 ニホンノミカタ

3日後ーー
横浜アリーナには長い行列が
その列の中を彩は歩いてたー

やっと入り口、見えてきたよー
速水瞬がこんな人気あるなんて知らなかったしー

入り口に張られたポスターを見上げてー

どう見てもオナベよねー
ジュオンちゃんがあれはレズタチだ!って言ってたけどー
レズのオトコ役とオナベの違いってどこで見分けんのかしら…

チケットは2階1列35--
滝沢君…まだ来てないよねーー
めちゃめちゃ緊張してきたわ!

会場に入ると、まだまばらな客入りで
階段を降りかけ、彩は一瞬、足を止めたー

大好きな人の背中を見つけ緊張よりも喜びが
心の中いっぱいになるのを感じ小走りでかけより
すぐ近くまで来て声をかけた

「滝沢君、もう来てたんだ♪」

龍太は振り向きおどろいた顔をしてた

早かったんだねーと言いながら
彩が隣の席にすわりかけると

「なんで!オマエが来んだよ!」
その顔は怒りの表情に変わってた
ほとんど怒鳴り声に近い

「なんでってー!?私が来るの聞いてなかったの?」

「聞いてねーよ!
ナツオが急に行けなくなったって言うから
もとは茉莉花と行くはずだったんだから
茉莉花が来ると思うだろがよー

龍太は右手で後頭部をおさえ肘をつき
彩に背中を向けた

それが、よりによってー
となりにオカマが来るなんてよー」

バケツの水でもかぶったみたいに
今までの龍太を好きな気持ちは消えた

ガッカリさせたのはもうしわけないけどさー…
オカマが来てムカついたんじゃなくて
好きな人が来なかったことのハライセじゃん
滝沢君が、そーゆー人だったなんてー
こっちだってガッカリしたっちゅーの…

「ったくよー
おんめーとかかわると、ロクのことねーんだかんなー
こっちまでホモあつかいされるしよー
俺、まわりからオカマとデートしてるとか思われたら耐えらんねー」

ダーハッハー!

後ろから何人かの笑い声が聞こえた

「てめーまわりから絶対、オカマってばれないようにしろよー」

ギヤーハッハー!

笑い声はさらに増えた

「ちょっと!どこどこ?」

「顔見えない!ふり向かないかなー」

「性転換?女装マニアかな?」

いろんな声が飛び交ってた

「私ーそうとう嫌われてるねー」

それは彩の声だった

龍太が振り向くと
彩は顔を真っ赤にしてたー

「おっ!しゃべったー!
声はやっぱオトコだな」

そのヒヤカシで龍太のボヤキはおさまり
今度は腕組みをして、だまこんだー

「好きな人から、あんな言われたら
女だったら耐えらんないよー」

「女じゃねーもん
平気なんじゃねー」

ヒソヒソ話はおさまらずー
いたたまれなくなり
黙ってることもキツクなって

「あーぁ
早く速水瞬はじまんないかな」

「ちゅーか
おめー瞬の曲知ってんのかよー」

「ヒット曲ってないよねー
ロックっぽいの歌ってるってことくらいしか知らないー
私クライのしか聞かないしー」

1階は満席になっている

シューン!!

待ちきれないファンが
応援コールをはじめた

「おめーにゃ
瞬のロック魂はわかんねーよ」

沈んだ声で龍太がつぶやくと

「だろーねー…」

彩はそっぽを向いて言った

「速水瞬のロック魂なんて、どーせ
滝沢君のドラムほどじゃないでしょー」

「えっ?誰のドラムが瞬よりスゲーって?」

「一緒にいる人のことじゃない?」

ヒソヒソ話はおさまらず
2階席はもう埋まってるのか知りたいが
彩には振り向く勇気はない

「私、この二年くらい潤につれてかれて
そうとう、いろんなライブとかコンサートとか見てるけど
滝沢君みたいなスゴいドラム叩く人
見たことなかったし」

「ねー!ニューハーフのカレ、ドラマーだって!」

「へー!知ってるバンドかな?」

おさまるどころか多くなる一方
おそらく、もう満席になってるだろう
龍太は気にせず振り向いて後ろをながめてた

「体中、電気が走ったみたいになって
体がリズムで動かされること
はじめて知った」

「ねーねーあの人、知ってる?」

「知らないけどー
もしか実は大物だったりして」

「他のドラムと比べたら
ケタちがいの迫力だった…」

ブザーがなって場内が暗くなり
歓声の中で
龍太は彩の横顔をのぞきこんだ…

54
DATE:2008/11/23

昨日は女子ラガー軍団と2丁目のゲイイベントを見て
そのあとカラボで発狂したbomb
フツウの女の気分になって男と結婚する人がいたりして
夫には見せられない姿の出しおさめみたいなのから始まって
いつのまにやら、かくし芸大会になり
だれもリクエストしてないのにボケソングの連発になって
ふだんは歌わない人まで歌いだしー
「私、女だけどー本当は女が好きなのー!」
って、今更カミングアウトされてもね…
「私なんかぁ!見た目、age嬢っぽいけどー
中身は40過ぎのオッサンなのー!」
前から知ってたしー
って昨日はみんなすべてを吐き出したって感じだったー
私も矢島美容室が歌えてチョーうれぴかったkaraoke
(そればっかは1人カラボでやれないじゃん)
久しぶりに死ぬほど楽しい夜でしたー
ガヤ芸人のみなさん、ありがとうございますnotes

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2008年9月24日 (水)

v13-47

V1347 カラーンと呼び鈴をならしてドアをひらいたら
「いらーしゃーい !」
と男みたいな女の声と、女みたいな男の声がコーラスした
「あれー ! 薔子、お花いらないって言ったのにー」
と言うジュオンの前を素通りして

「これは彩にです!」

「うわぁ!ほんとに?薔子ありがとう!」
カウンターごしから花たばをてわたして薔子は
「彩、再出発おめでとう!」と言った

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2008年9月19日 (金)

v13-046 BouQuet

Bouquet

日曜の夜の新宿2丁目は閑散として人通りも少ない
薔子は花屋で花束を買っていた
その外で黒いレースのキャミドレを着たダリアがタバコを吸ってると
同じ黒いキャミドレを着てマリーゴールドが現れた
ダリアはくわえてたタバコを投げ捨て
「ったく、あんたさーいっつも私のマネして同じ服、着るの
やめてくんないー!」
「マネなんかしてないわよー!偶然じゃないー!」
「偶然?じゃ、私がゴンと同じセンスだってーのー?
たえらんないわ!」

横断歩道の信号が青に変わると
GパンとTシャツのレンゲが駆けてきた
「二人ともおそろいで~日曜なのに女装するんだねー」
「これは普段着ですー!」と、二人は声をそろえて言った
「ずいぶんハデな普段着よねー」
花たばをかかえて薔子が花屋から出てくると
「メイクまでしてー日曜だっちゅうのにー
あんたが一番ハデじゃん!」と言うと
レンゲはスタスタと2丁目の仲通りを歩きだした

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