067
深夜0時…
関内のMidnight Flowersは
終電で帰る社用族が引け出し
お店勤めの人や夜型人間がわいて出て
帰る客と来る客でごったがえしてたー
7、8人がすわれるボックス席が20近くある
広い店内のステージ脇のボックスは
ステージが見えずらいため
なるべく使わないようにされてるが
秋桜は、そのボックスがお気に入りだったー
いつも自分の客が来たら真っ先にそこへ案内したー
今夜は…
「なんかー全然キャバに来たって感じがしねーんだけどー」
「あれーナツオくん
他のキャバとか知ってんの?」
くるみは夏生からバーボンをつがれ酔い始めてる
「実は俺たち、おじさんのオトモでいろいろ行ってんだー
茉莉花のてまえしゃべれねーけどー」
ステージ横のボックスには
9th WAVEの仕事を終えて
今井が夏生と龍太をつれて来てた
真ん中に今井と秋桜にすわりー
その横に夏生とゆりがー
「へー!ハツミミ!
もう茉莉花にしゃべっちゃうもんねー」
「あくまでオトモで来てんのに
本命にチャチャ入れられたら
この店、二度と来ねんじゃねー」
その向かい側で龍太はくるみと林檎にはさまれてた
「いつものメンツでキャバって言うか
打ち上げとかわんねーじゃん」
と、龍太は不機嫌そうによその席の女の子ばかりを見てた
「あっ、あーん!こぼしちゃいやーん!
秋桜はブランデーグラスを今井の口元まで持っていきー
飲ませてるのか、こぼしてるのか…
パパのオヒゲがこんなにヌレちゃったー!」
「ちゅうか、そこの2人だけキャバじゃねー」
と、夏生も茉莉花の名前が出てから、すっかりシラケてたー
秋桜は今井の口をハンカチでふきながら
「ねー、パパお願いがあるの~
ナツオくんに場内指名させてあげて~
せっかく来てくれたのにつまんなそうなの、もうしわけないしー」
「アキラ、話持ってくの上手いねー
場内指名の指名料も自分の売り上げのうちだもんねー」
ゆりは感心したのか、あきれたのか…
「いいんだよー
なっちゃんはカノジョいるんだからー」
「キャバに来て彼女いるからーなんて関係ないわよ
今、この店の中のお客さんだって彼女いる人いっぱいいるんだからー
ここでの出来事はここだけの秘密にすればいいでしょ」
と秋桜は夏生にトクイのウィンクをして
「ピンドンおねだりされるのと、どっちがいい?」
と次は今井の膝をさすったー
「しょうがないなー…」とシブシブ今井が言うとー
「たしか、茉莉花に感じが似てる子いるんだよねー
名前なんて言ったっけかな…
あっ!ボーイさん、場内指名おねがい!
と秋桜は通りがかりのボーイを呼びとめ
あそこの黒いドレスの…
たしか、マイちゃんて言ったよねー」
「かしこまりましたー」
と、ボーイが足をはこび声をかけたのはー
さっきから龍太がチラチラと目で追ってた子だったーー
横須賀の港はめちゃめちゃ淋しい…
夜景ファンの私としてはー
長時間、風景にひたりたいんだけどー
♪あなたに会えないー
この街を今夜ひとり歩いたー♪
こないだの難破船がーアタマの中で流れてきてーー
グアイが悪くなった…
カラオケもとうぶん行く気にならないだろうしー
なんか他に現実逃避するいい方法ないかしらーー?
| 固定リンク







